The Washington Post紙が国勢調査のデータを可視化するためにMTS (Mapbox Tiling Service) を使用した理由

このワシントンポストの国勢調査分析には、大量のデータ、複雑なデータ前処理が含まれており、インタラクティブストーリーでパーソナライズされたユーザーエクスペリエンスを可能にする必要がありました。国勢調査データの抽出と分析は、時間のかかるプロセスです。まず、データレポーターはデータの前処理に取り組み、The Postの国勢調査データ処理パイプラインを利用して、歴史的な1990年の国勢調査データセットと2020年のテストデータ間の区画境界とフィールド定義の変更を修正しました。次に、1990年から2020年までの国勢調査区ごとの人種構成のデータセットを出力しました。

この前処理されたデータセットは、その後、ニュースルームエンジニアリングチームに引き渡され、MTSを使用して、グラフィックレポーターが過去30年間の米国における人種および人口構成の変化という複雑なストーリーを伝えるために使用するタイルセットを構築しました。 

レシピ。MTS構成ファイル（レシピとして知られています）を使用すると、開発者は1回のデータアップロード後、迅速に反復処理できます。

「MTSレシピは、タイルセットレイヤーを構成し、変更をグラフィックレポーターに出荷する前に、限られた地理的領域で変更をすばやくテストするための、他に類を見ないユーザーフレンドリーな方法です。」
Paige Moody, Newsroom Engineer

速度。Sparkベースのサービスとして、MTSは約1分で約74,000の国勢調査区域相当の時系列人種データを処理し、グラフィックスチームからの迅速な反復と修正の迅速なターンアラウンドを可能にしました。

タイル統計。The Washington Postは、デスクトップとモバイルの両方の読者を抱えており、パフォーマンスに関する洞察を必要としていました。Job APIエンドポイントによって返されるニュアンスのあるデータと、Tileset explorerによって提供される統計により、開発者はすべてのユーザーのすべてのデバイスでマップが高速になるようにするための洞察を得ることができます。

迅速なイテレーション。データセットは事実上静的であるため（2020年のデータのリリース時に1回だけ再処理されます）、MTSを使用する開発者はデータセットを1回アップロードするだけで済み、ズーム範囲とフィールド値を反復処理するためにレシピの変更に依存できます。開発者は、フィーチャプロパティに割合ではなくパーセントを使用するなど、チーム全体のフィードバックを迅速に組み込みました。

MTSを使用すると、News Engineeringチームは、合理化されたタイルセット作成パイプラインと高性能なタイルセットを構築し、プロジェクトのさまざまな部分でシームレスな引き渡しを行いながら、レポートチームとエンジニアリングチーム間の反復とコラボレーションを簡素化できます。

大規模データセットにおいてMTSがTippecanoeより優れている理由

処理時間の短縮

MTSは、Sparkを介してクラウド上でタイル化ジョブを実行し、パフォーマンスの一貫性と並外れた速度を実現します。Tippecanoeは従来のデスクトップツールであり、パフォーマンスは主に個々のコンピューターのハードウェアが提供するコンピューティングリソースによって決定され、タイル化時間に多くの変動が生じました。ワシントンポストの国勢調査データセットの場合、Tippecanoeはタイルセットの作成に約8分かかりますが、MTSは約1分かかります。データセットが大きくなるにつれて、サービス間の処理時間の差は広がり続けます。

より優れたビジュアルおよび統計ツール

タイルセットエクスプローラーは、Studioで利用できる検査ツールで、タイル化されたデータを視覚化するためのMTSタイルセット専用です。タイルサイズ統計、ジョブとレシピの履歴、X線データプレビューも可能です。タイルセットエクスプローラーは、出力タイルセットに関する比類のない洞察を提供し、視覚化とパフォーマンスに関する意思決定に役立ちます。

シームレスなデータパイプラインの自動化

Tippecanoeはcliベースであるため、Tippecanoeを使用したTilesetの作成は通常、実行可能ファイル（Makeファイルなど）で行われます。これらは、プロジェクトやサービス全体で簡単に再利用することが困難です。MTSはAPIとCLIの両方のオプションを提供するため、1つまたは複数のデータパイプラインに簡単に統合できます。

より堅牢で参照可能なデータ操作とGISオペレーション

MTSを使用すると、JSON構成ファイル（レシピ）を介して既にアップロードされているソースファイルを参照できるため、イテレーションが非常に高速になります。レシピは、出力タイルセットのデータ条件を設定するためのユーザーフレンドリーな方法です。Tippecanoeを使用すると、新しいタイルセットオプションを反復処理してテストするたびに、ソースファイルを処理してアップロードする必要があります。TippecanoeタイルセットオプションはCLI引数/フラグによっても設定されますが、参照および解読がより困難になる可能性があります。

国勢調査のストーリーは、1968年のDC暴動から野生生物の移動パターンまで、Mapboxを利用した一連のプロジェクトの最新事例です。高品質でインタラクティブな地図で大規模なデータセットを紹介したい場合は、今すぐMTSの使用を開始してください。