Maps SDK の新バージョンで、クロスプラットフォームの機能拡張が実現

Maps SDKの新しいバージョンが、すべての Mapbox のお客様向けにベータ版として提供開始されました。対象は GL JS v3 (web) および Mobile Maps SDKs v11 (Android、iOS) です。これらの新しいリリースは、以前のバージョンを改良し、将来のエキサイティングな開発に向けて SDK の基盤を安定させます。また、新しい動的な 3D スタイルが導入され、よりクリーンなコードとより最新のフレームワークのサポートにより、開発者のエクスペリエンスが向上します。

新しい3D環境が、道案内と位置認識を強化

新しいMapbox Standardスタイルは、ダイナミックな照明機能、ランドマークとなる3D建物、そして美しいシンボリックな美学を備えた、高度にパフォーマンスが高く洗練された3Dマッピング体験を実現します。Standardは、カスタムレイヤーとともに進化するベースマップを提供し、手動による更新なしに、最新のデータ、レンダリング、およびスタイリング機能を提供します。

Jetpack Compose、Swift UI、およびその他のフレームワークのサポート

当社のMobile SDKsはすでにSwiftUIやJetpack Composeのような宣言型UIツールキットと互換性がありましたが、v11はこれらのテクノロジーを念頭に置いてゼロから構築されています。開発者は、定型コードを減らして魅力的なマッピングエクスペリエンスの作成に集中できるようになり、迅速な反復と簡素化された開発が実現します。Jetpack ComposeとSwift UIのサポートに関する詳細は、ドキュメントをご覧ください。

GL JS v3では、ライブラリの一部を動的に、必要な時にのみロードすることで、使用されていない機能のパフォーマンスコストを回避しています。その結果、軽量な2D地図を読み込む場合でも、最新のMapbox Standard 3Dスタイルを読み込む場合でも、クラス最高のパフォーマンスを提供できます。

さらに、WebGL2にアップデートし、より高度な3Dレンダリング機能を利用できるようになり、よりリッチでパフォーマンスの高い地図体験が可能になりました。

パフォーマンスの向上

ウェブでは、多くのシンボルを含む地図をパンするときに発生するカクツキを解消しました。これは、多くのカスタムデータポイントで構築された地図でよく見られる問題です。また、クラスタ化されたソースのパフォーマンスを改善し、ロード時間を20％短縮し、メモリオーバーヘッドを40〜60％削減しました。

モバイルでは、更新されたGeoJSON Source APIにより、開発者はGeoJSONデータセット全体ではなく、単一のフィーチャを更新できます。この変更により、特に大規模なデータセットをアニメーション化する場合に、パフォーマンスが大幅に向上します。

プロファイリングおよびデバッグツールの改善

v11 Mobile SDKでは、複雑なスタイル、データ、またはデバイスの制約によるパフォーマンスのボトルネックを特定するために、開発者がパフォーマンス分析をピンポイントで行えるAPIを通じて、パフォーマンス分析が重視されています。

Tracing API（iOS、Android）は、レンダリングエンジンによって実行される操作の詳細な概要を提供します。これには、スタイルの読み込み、タイルの解析、およびレンダリングイベントが含まれます。特に、Tracing APIはXCodeおよびAndroid Studioのパフォーマンスプロファイリングツールと効率的に統合されており、開発者向けの合理化されたワークフローを保証します。

さらに、MapRecorder API（iOS、Android）は、開発者に地図のインタラクションをキャプチャして再生する機能を提供します。これは、地図とのインタラクションを必要とする複雑なシナリオを再現するのに特に役立ちます。記録されたセッションは、作成されたアプリケーションとは独立して再生できるため、トラブルシューティング時に貴重な時間とリソースを節約できます。Tracing APIと組み合わせて使用すると、スタイルのベンチマークスイートを作成できる可能性があります。

新しい開発者向け製品群を完成させるPerformance Statistics APIは、重要なレンダリングパフォーマンスメトリクスに関する洞察を提供します。これには、ドローコールの数、GPUメモリ使用量などのメトリクスが含まれ、最もリソースを消費するレイヤーとレンダーパスも識別します。

{
  "cumulativeRenderingStats": {
    "drawCalls": 788,
    "textureBytes": 43456730,
    "vertexBytes": 17355252,
    ...
  },
  "perFrameRenderingStats": {
    "uploadGroupStats": {
      "maxMs": 14.71900177001953,
      "medianMs": 0.302
    },
    "topRenderLayers": [
      { "name": "trees", "durationUs": 1443 },
      { "name": "building-models", "durationUs": 1222 },
      { "name": "3d-building", "durationUs": 1091 },
      { "name": "water", "durationUs": 694 },
      { "name": "waterway", "durationUs": 641 },
      { "name": "poi-label", "durationUs": 626 },
      { "name": "natural-point-label", "durationUs": 360 },
      { "name": "road-label", "durationUs": 235 },
      { "name": "landuse", "durationUs": 222 },
      { "name": "road-number-shield", "durationUs": 215 }
    ],
    ...
  }
}

Mobile Maps SDK v11では、リソースグループ、ディスク圧縮オプション、個々のリソースの削除のサポートなど、TileStoreに多数の機能強化が加えられています。これらの改善により、タイル管理をより細かく制御できるようになり、オンラインまたはオフラインで、一貫性のある高性能なユーザーエクスペリエンスを提供するための新しいツールが開発者に提供されます。

地図のインタラクティビティとカスタマイズの改善

画像式は、ライトシーンとダークシーンのバリアントとして使用できる2つのアイコンIDをサポートするようになりました。また、これらの2つのバリアント間のトランジションを制御する新しいプロパティicon-image-cross-fadeも追加しました。

これで、スタイルはmeasure-light 式を使用してマップの照明構成を認識できるようになり、レイヤーのスタイルを変更したり、異なるアイコンバリアント間でクロスフェードしたりすることもできます。これにより、新しいMapbox Standard Styleの動的な照明機能を最大限に活用する、明るいから暗いへのトランジションが可能になります。

GL JS v3は、ボーダー付きのルート線をサポートするようになりました。線のボーダーの幅と色を指定できます。これにより、複数の線レイヤーを必要とする回避策が不要になり、CPUとメモリの使用量が節約され、マップのパフォーマンスが向上します。これは、複雑なナビゲーションシナリオに特に関係します。また、当社のSDKとのパリティをもたらし、全体的かつ一貫性のあるクロスプラットフォームの開発者エクスペリエンスに貢献します。

同様に、デザイナーはGL JS v3のHSLA値のコンポーネントに式を利用できるようになりました。これにより、HSLAコンポーネントを直接制御でき、カラー管理がよりシンプルかつ柔軟になります。HSLカラースペースは、色相、彩度、明度を使用して色をより本質的に定義し、お客様はこれらの値を個別に制御する必要があることがよくあります。

さらに、Mobile SDKs用のCamera APIを強化し、主要な人間工学的問題に対処し、廃止予定のコードを整理し、GL JSの機能と整合させました。これには、パディングパラメータをオプションにすることや、CameraManagerにmaxZoom引数とoffset引数を追加することが含まれます。

さあ、構築を始めましょう

これらの新機能、パフォーマンスの向上などにアクセスするには、今すぐv3/v11に移行してください。改善点の完全なリスト、要件、および移行手順については、GL JS v3およびAndroidとiOS用のMobile Maps SDKs v11の移行ガイドをご覧ください。

これらのバージョンは、GL JS の v2 および Mobile Maps SDK の v10 で導入されたアーキテクチャを基に構築されています。メジャーバージョンを上げて、いくつかの破壊的な API の変更を導入していますが、ほとんどのユーザーは移行プロセスが簡単で、新しいバージョンが以前のバージョンの反復であると感じるでしょう。 

Mapboxの使用を開始するには、Mapboxアカウントにサインアップし、上記の移行ガイドで最新バージョンに関する情報を参照してください。